【89式小銃/電動】フルオートしか撃てなくなった!【分解/調整】
先日はN班長の89式を軽オーバーホールしました。
今度は自分のを…と思って、モーター交換以外はほぼ同メニューで軽オーバーホールを実施しました。
ところが、仮組みしてドライブテストしてみたら、セレクターの位置が「レ」でも「3」でも「タ」でも、なんとフルオートオンリー。
よくよく見ると、メカボックスから小さな欠片がポロッと。
これはカットオフレバーしかない!
…という話を、お仲間のH工房さんにしてたら、
「89式のカットオフレバー、手持ちであるよ? あげちゃうよ?」
面倒くさいマルイのパーツ注文の過程をすっ飛ばして、いきなり入手できちゃいました(笑)
H工房さん、恐るべし!
と言うことで今回は、タイトルにもあるとおり、フルオートしか撃てなくなった89式小銃の修理、カットオフレバーの交換がテーマです。
さて、カットオフレバーとは何ぞや。
電動ガンは通電した状態(トリガーを引いてスイッチをつなげた状態)ではフルオートでの動作が基本です。
トリガーを引き続けスイッチを通電させた状態だと、電流が流れ続けるわけですから、モーターが延々と回り続け、連動してピストンも動き続けて、フルオートの状態が続きます。
カットオフレバーとは、通電した(トリガーを引いてスイッチをつなげた)状態から、トリガーを引いたままで、内部のスイッチだけを強制的・物理的に切り離し、通電をストップさせ、メカの動きを単発で止める機構になります。
1回の発射につき1回転するセクターギアに組み込まれたカムが、件のカットオフレバーを介して、スイッチの接続を1回発射のタイミングでカットします。
故にカットオフレバーが破損して機能しなくなれば、スイッチを通電させても(トリガーを引いても)、セーフティ以外のすべてのセレクター位置でフルオートになる、もしくは逆にスイッチがカットされたままになり、トリガーを引いてもモーターが動く気配すらない、という症状になります。
✳︎以下、すでにメカボックスの内部の画像になっていますが、89式小銃分解の手順については過去記事
【89式小銃/電動】 89式の軽オーバーホール【分解/調整】
あたりをご覧ください。
まず、メカボックスを開いて、ギア類など、メカボックスを裏返したらポロッと落ちそうなパーツを全部外します。
ギアと軸受けの間に挟まっているシムは、厚みが決まっているので、バラバラにしないように注意です。
カットオフレバーは、メカボックス内のセクターギア裏に隠れています。
上が破損したカットオフレバー。
マル印の突起が折れてなくなっています。
下に置いた新品にはちゃんと突起がついています。
89式のカットオフレバーを外すには、メカボックスからギア類を全部外して、左面外側の小さい方のバネを外して、赤マルで囲んだネジを緩めます。
ちなみにバネはレバー側だけを外すのが良いと思います。
メカボックス側はネジのループが、引っ掛ける突起より小径になっているようで、取り外すと、取り付けに難儀しました。
取り付け時は、バネの方は特に注意点はありませんが、ネジの方は、カットオフレバー側の穴にネジ切りがされていませんので、ちょっと強めの力で付属のタッピングネジをねじ込んでいかなければなりません。
カットオフレバーは可動パーツなので、ネジをいっぱいまで締めこんだら、若干緩めて、レバーがスムーズに動くか確認が必要です。
緩めすぎるとレバーが外れてしまう恐れがあります。
後は、外した時の逆順でギアなどの部品を取り付けていけばオッケーです。
ちなみにここまでメカボックスを開いたのであれば、ピストンや各ギア、シリンダー等の交換洗浄・グリスアップもしておくことをお勧めします。
スイッチの接触部の点検やピストンレールの洗浄、タペットプレートの旗部分の形状・スプリング長・軸受け形状の点検交換などもするべきですね。
新品箱出し時に近い性能がよみがえります。
追記:最近はマルイ純正のメカボックスパーツを取り扱うショップも増えてきましたが、89式のカットオフレバーはほとんど見かけませんね。
社外品も無いし。
小耳にはさんでんですが、VFCのMP5のバーストメカが89式と酷似しているらしい…。
誰か試してみませんか(笑)